インフルエンザに麻黄湯と決め込む日本漢方の危うさについて


参考ブログ:風邪やインフルエンザの漢方薬:漢方薬専門・村田漢方堂薬局(山口県下関市)の近況報告

2007年05月30日

葛根湯 (高村光太郎作)初出:明治44年「スバル」8月号

      葛根湯 高村光太郎

かれこれ今日も午(ひる)といふのに
何処とない家(うち)の中(うち)の暗さは眼さめず
格子戸の鈴(りん)は濡れそぼち
衣紋竹はきのふのままにて
窓の外には雨が降る、あちら向いて雨がふる
すげない心持に絶間もなく−−−
町ぢゃちらほら出水のうはさ
狸ばやしのやうなもののひびきが
耳の底をそそつて花やかな昔を語る
膝をくづして
だんまりの
銀杏返しが煎(に)る薬
ふるい、悲しい、そこはかとない雨の香(か)に
壁もなげいて息をつく
何か不思議な
何か未練な湯気の立つ
葛根湯の浮かぬ味


続きは⇒ 明治の風邪は葛根湯、平成の風邪は銀翹散製剤--------- 高村光太郎の詩⇒葛根湯


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posted by ヒゲジジイ at 17:00| 山口 ☀| お茶でもどうぞ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月08日

雨に打たれて風邪を引き桂枝麻黄各半湯証

 今時、麻黄湯証や桂枝麻黄各半湯はないだろう〜〜〜と思っていたら、愚妻がやってしまった。
 連休中に薬草畑の雑草刈りの最中に、急な雨にあってずぶぬれになった。明くる日は咽喉腫痛の割には左手が筋を引いたように痛いとおもいつつも、定石どおり銀翹散製剤(天津感冒片)と板藍茶などでお茶を濁して治ったつもりでいたが、昨日の月曜日、<休み明けゆえに店頭も電話注文も重なってテンテコマイ。
 黄色の鼻汁が出ていたはずが、いつの間にかわずかな隙間風に感じてくしゃみとともに透明な鼻水に変化した。
 往来寒熱のように、ぞくぞくと寒くなって服を沢山着込んでいると、こんどは暑くなるが発汗がない。薬局を閉じたあと夕方6時半、体温が7度9分。
 温病的な病証から傷寒的な病証に明らかに変化している。

 そこで手っ取り早く、麻黄湯製剤と桂枝湯製剤を同量服用、すなわち桂枝麻黄各半湯のつもりである。
 すると一発で気持ちよく発汗して解熱した。

 本日はまだ鼻声が残っているが、幸いに仕事量も昨日の半分程度であったから完全に解熱して体力も回復した模様。咽喉腫痛が残っているので、天津感冒片の微量を齧りながら、麻黄湯製剤と桂枝湯製剤も併用して治療を徹底した。

 いまどき麻黄湯や桂枝湯かよ〜〜〜と言いたいが、現実に愚妻の病状であったのだから仕方がない。
 ときにはこんなこともあっても不思議はない。

 悪寒発熱・咳嗽・くしゃみと希薄透明な鼻水・強い悪寒がしたり急に暑くなったり、というのが自他覚症状の目だったところであった。
posted by ヒゲジジイ at 21:59| 山口 | 風邪・インフルエンザに対する漢方薬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月20日

葛根湯の評判

 相変わらず葛根湯使用経験者の体験談インタビューを継続している。
 風邪に素晴らしく良く効いたという印象を述懐される人は、相変わらず稀である。
 引き始めの極初期に使用して良かったと言う人は折々に遭遇するが、それ以上のものではない。

 葛根湯と鋏(はさみ) にもあるように、頚椎症などの様々な慢性疾患に応用範囲は極めて広く、葛根湯証を呈する慢性疾患に対する有用性ははかり知れない。
 ところが、本命の風邪やインフルエンザに対しては、多くの場合、ピンとはずれや空振りに終わることも多い現実がある。

 それらの理由は、これまでにもこのブログ内で縷々述べてきたはずである。
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2007年04月05日

タミフルの使用を控え、かわりに麻黄湯が注目されているといわれるが・・・

 タミフルの使用によって異常行動のみならず突然死の事例も多いと噂されることから、タミフルの替わりに麻黄湯を処方する医師が増えているという。
 合成医薬品におけるタミフルに代わるものは、リレンザかアマンタジンであるが、吸入薬である使用の不便さのあるリレンザ、中枢神経系の副作用の心配があるアマンタジンは敬遠されることが多いと言われる。

参考文献:http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/200703/502873.html

 このようにタミフルの代替としても麻黄湯は、解熱作用においてタミフルを上回るというデーターもあるらしいが、今度は麻黄湯の乱用によって、証を間違って投与された場合の虚証患者に対する副作用の出現が心配である。
 発汗過多による心臓衰弱など、適用を誤ると漢方処方の中ではかなり作用の激しい部類に属する麻黄湯である。
 明らかな傷寒として発病した場合、強い悪寒とフシブシの疼痛や頭痛が顕著で無汗など、条件がしっかり揃った表寒・表実証であれば副作用は生じる可能性は極めて少ない。

 ところが、昨今しばしば見られる悪寒よりも熱感が目立ち、咽喉腫痛を伴って、最初から汗ばんでいるような風熱表証を呈する場合に、誤って麻黄湯を使用するとかなり危険である。発汗過多によって一気に体力を消耗する恐れが強いのである。この場合は明らかに誤治であるから麻黄湯を即刻中止しなければならない。
 実際にはこのような咽喉腫痛を伴う風熱表証では銀翹散製剤を用いるべきである。
 高熱を早く下げたければ板藍根と地竜を加えれば速効が得られることも多い。

 タミフル騒動のお陰で、今後、医療界では保険漢方による麻黄湯が乱用される恐れ無きにしも非ず。くれぐれも弁証を誤らないことを祈るばかりである。
posted by ヒゲジジイ at 20:42| 山口 ☀| 風邪・インフルエンザに対する漢方薬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月27日

蓄膿症に連動した後鼻漏の場合

 蓄膿症に付随した後鼻漏の場合、根気さえあれば!という条件付であるが、多くの場合、8割以上の緩解は十分可能である。
 過去の実績でもっとも多かったパターンは辛夷清肺湯合麦門冬湯を主軸にしたパターンであるが、一概に固定できるものではないので、季節的な条件に応じて折々に正確な弁証論治によって微調整を必要とすることも多い。銀翹散製剤や六味丸・猪苓湯など様々な組み合わせを必要とする。
 また滋陰降下湯や荊芥連翹湯などの合方を必要としたことも多い。

 病院治療では治らなくなって御相談に来られるケースばかりだから、当然のことながら時には数年以上の根気がなければ、真の意味の緩解は得られないし、ましてや根治など望むべくもないのだが、サバイバルゲームと同じで、徹底的に治そうとされる人は一部の人に限られる。

 だから病状が半減したところで、根気が続かなくなって中断してしまった人も多いのが現実なのである。
 数年以上頑張り通せる人は一部に限られるが、そういう根性のある人だけがほとんど根治に近い状態になれる。
 蓄膿症そのものを根治に近い状態にしてしまう必要があるのだから、長期的な根気が要ることは当然のことだろう。

 鼻炎に伴う後鼻漏の場合は、しばしば難治性となりやすいが、それでも水様性の場合であれば、時に即効的に治ってしまうことは既にこのブログでも述べたとおりで、前回のブログでも取り上げている。
 カッコーショウキサン10日分で水様性の後鼻漏が止まって以後は、あやしいときに一時的に服用することで済んでいるということである。
 また、咽喉部の違和感は、銀翹散製剤(天津感冒片)の少量の連用でやや調子がよかったが、逆流性食道炎による刺激の可能性も視野に入れたオルスビーの使用により、明らかに改善効果が得られているという報告が先日あったばかりである。

 咽喉が弱い人の中には、後鼻漏や逆流性食道炎が原因となっていることが多いのは常識ではあるが、両者が原因であったというのは珍しいケースかもしれない。
 
posted by ヒゲジジイ at 01:21| 山口 | 風邪やインフルエンザの後遺症 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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