漢方薬局『村田漢方堂薬局』(山口県下関市)のブログ
ここで、かなりの数の記事を書いているので、参照されたし!

2012年03月14日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ
いくら忙しくたって遣り甲斐のある仕事ばかりではないので、時々この辛気臭い本業にウンザリする。
そんな一週間が終わった土曜日、やけに寒いな〜と思いつつ完全に気力喪失状態で下らぬテレビを眺めながら厭世観にひたっているとけだるくてしょうがないのでひと寝入り。
夜八時頃起こされて体温を測ると38度4分。節々は痛いし筋肉痛もある。咽喉周辺はひりひりとへばりつくような痛みと咳嗽。
咳嗽の発生源が胸の中央付近で胸痛を伴う肺炎の手前を思わせるようないやらしい乾燥咳である。
咽喉のへばりつくような疼痛は「温熱の病邪は口鼻より入る」の温病学の考えから断然、銀翹散(ぎんぎょうさん)製剤でもシャープな効果を特徴とする涼解楽である。
節々の疼痛や筋肉痛および悪寒を考えれば、とうぜん日本古方派なら麻黄湯を考えるところであろうが、ひどい食欲不振を考えれば絶対に使用したくない。
まずはひとい胸痛と胸に響く咳嗽を楽にしたいので涼解楽と小陥胸湯加減方剤に滋陰降下湯で咳嗽が一気に楽になる。安心して寝入り翌朝の日曜日を迎えると7度4分に下がっていた。(実際の服用薬には排尿痛と小便の出渋りもひどかったので猪苓湯も加えている。)
そこで安心して、遣り残した雑事を片付けていたらまたぞろけだるくなって寝入る。夕方3時頃まで寝入って目が覚めたときには何と8度9分、頭はガンガン、トイレに行くのもふらふら。咳嗽も胸痛もかなり軽くなったが節々と筋肉が痛む。僅かな寒気がどうしても取れない。熱感もあまり感じない。(いかにも麻黄湯証である。)
やっぱりこれは風寒束表に対する配合が明かに不足しているように思われる。といってもこのひどい食欲不振をどうするか?
愚娘などは高熱を発すると決まって食欲旺盛になっていた。関係ないけど・・・。
「虚に乗じて邪が侵入」したのであるから、常々 漢方と漢方薬は風邪・流感(インフルエンザ)に本当に有効か? というブログにも書いている通りに上記方剤に参蘇飲を加えることにした。
涼解楽と小陥胸湯加減方剤に滋陰降下湯に参蘇飲・猪苓湯
すると半時間も経たない間に7度5分まで下がる。少し食欲がでたが下痢をした。どうにも僅かな寒気が取れないのはカッコウショウキサン証の合併だったかと得心してさらにこれを追加服用。
この時点で気がつくと咽喉のへばりつくような疼痛や胸痛も咳嗽などほとんど消失。
熱も軽度になったが高熱のあとだけに身体がだるい。症状から見てもまるでインフルエンザのようだが身近に医者がいないので検査もできない。
夜、昨夜からジュース類以外は咽喉を通らなかったのが梅干ご飯にお湯をかけて食べれた。体温も37度以内36度までを上下。
夜は涼解楽と小陥胸湯加減方剤にカッコウショウキサンと参蘇飲・猪苓湯で寝る。
月曜日は鼻声を残してまったく平熱。食欲が俄然沸く。
幸い、1日中、送り注文とお馴染みさんが来られるばかりで、最も神経を使う新人さんが無かったのが幸い。
夜の今現在の服用は、念のために涼解楽とカッコウショウキサンと参蘇飲・猪苓湯。
こんな華奢?な身体に麻黄湯を使用していたら、どうなっていたか分からない(苦笑)。
追記: 当然、板藍茶や白花蛇舌草は常時併用しているはずが、時に熱に浮かされ服用を忘れているときもあった。高熱時に地竜や牛黄製剤も使用したが初日の土曜日にはまだ寒気が強い時だったためか、有効性はほとんど感じられない。
翌日の8度9分の時にも使用したが、この時は一気に熱が下がったのは地竜と牛黄製剤のおかげかもしれない。
なお、終始寒気が伴っていたので暖房で強烈に室内を暖めていた。
前略 こちらでは、A型インフルエンザがとても流行しています。
先日、いやいやながらも、薬剤師会の当番で、休日救急医療センターに当直した折りの感想です。
A型インフルエンザが流行っており、狭い待合室の密閉された空間は、何だか臭いまでムとウイルスの存在を感じさせるようで、いつインフルエンザを引いてもおかしくない、イヤな状況です。
毎年、この時期の当直で、体調を崩すことが多いので、この日は完全防備ででかけました。
前日の夕食を、一汁一菜の和食で腹七分、当日の朝は、韮の温裏粥を少々食べました。
これは、先日、安保先生にお逢いしたとき、インフルエンザを吸い込んでも、発病する人としない人の違いは、マクロファージの段階で処理できるか否かの問題で、飽食によりマクロファージがその処理に疲弊していると、ウイルスを食べられず、リンパ球等を動員してくると、熱が出て、発病に至る・・・とのお話をされていたためです。
村田先生が、いつもおっしゃるように、腹七分は万病の予防です。
急患センターに到着すると、相方の薬剤師、ドクター二人と顔合わせし、皆さんインフルエンザをもらわないように、全員マスクをして、気合いを入れました。
ちなみに、朝の体調は全員良好でした。
私は、患者さんと話をするたびに、タンポポ茶でうがいをして、時折、銀翹解毒丸を飲んでいました。昼は、自宅から玄米のおにぎりを持参。
相方の薬剤師は、にぎり寿司、ドクター二人はトンカツ定食を食べておられました。
ところが、夕方4時を回るころ、相方の薬剤師は、激しい悪寒、頭痛、節々の痛みを訴えました。どうみても傷寒証の症状です。舌をみると、胃腸も冷えていました。
私は、ポケットに、麻黄湯、麻黄附子細辛湯、銀翹解毒丸を忍ばせていたので、相方に麻黄湯を一服渡しました。
時を30分くらいずらし、トンカツを食べておられた1人のドクターが、”麻黄湯なんてないよね?”
と言ってこられるので、”どうされました?”とお聞きすると
”2人とも(ドクター)喉が痛く、熱感がしてきてるから・・・やられたみたい。薬剤師さん、麻黄湯ってどうよ?”
とおっしゃるわけです。(ちなみに、この日は患者さんにはタミフルがバンバン出てました)
漢方の真髄をご存じないドクターに、弁証論治がどうの・・といってもラチがあかないので、私からみて、お二人とも、まちがいなく温病の証で、湿熱体質とみてとれたため、持っていた銀翹解毒丸を飲んでいただきました。
こうして、2時間後の終了時には、相方もドクターも回復に向かっていました。
このとき、私が思ったのは、同じインフルエンザに暴露され、体内に取り込んでも、その人の体の状態(寒、熱、湿・・・など)により、反応が違うのでは?ということです。
体に湿や熱をためていれば、ウイルスの増殖も早く、温病型の証を呈してくるのかもしれないし、体が冷えていれば、傷寒証を呈してくるのかも・・・?
同様に、内湿が多ければ、湿邪にやられやすいし、乾燥した体質であれば、湿邪は有り難い・・ 後略
気分熱盛・辛寒清気
気分熱盛 = 温邪を上に受けて衛分から気分に転入し、あるいは寒邪が裏に入って化熱し、熱邪が気分にある病機を指す。
辛寒清熱 = 気分熱盛の病機にもとづいて考案された治法である。
本証では高熱・汗出・煩渇〔激しい口渇〕・洪脉が主症となることが多い。
肺は呼吸を司っているので、温疫の邪気は極めて容易に肺系に侵入して病変をもたらす。肺は皮毛に合し衛に属し表を主っているため、気候の異常変化によって容易に表衛失調を引き起こし、循経して臓に伝入し、鬱結化熱による病態を呈する。このように、温邪を上から受けても寒邪に表から侵入されても、最初に肺が被害を受けることになり、邪気が肺衛を犯した早期に治療しなければ、転化して気分熱盛を形成し得るのである。
かくして邪が気分に転入すれば、@邪が熱化するために高熱を呈し、A津は熱迫によって外越散熱するために出汗し、B汗出によって傷津し、熱盛によって耗液し、津液が損傷・消耗され、おのずと水分補給の欲求が高まるために激しい口渇を生じて冷飲する。C脉象は熱在気分〔熱邪が気分あること〕を示す洪大の脉を呈する。
「熱なるときはこれを寒す」の治療原則にもとづき、石膏・知母・竹葉・芦根などを用いて方剤を組み立て、辛寒清気法を体現した治療を行えば本証に適応する。
〈代表方剤〉 白虎湯。
気分熱盛では「傷津」を特徴とすることが多いので、本法では辛寒清熱薬を中心に用い、「辛はよく走表し、寒はよく清熱」する性質を利用して熱去津回〔熱を除いて津液を回復させる〕の目的を達する。白虎湯証に身体の重だるい痛みを伴うときは熱邪挟湿・熱盛湿微の証候であるから、白虎湯に蒼朮を加えて燥湿醒脾すべきである。
〈代表方剤〉 白虎加蒼朮湯。
熱勢が猖獗(しょうけつ)を極め、津液が虧損されて臓病及腑〔臓の病変が腑に波及〕により、腸中の燥結を誘発した場合は、芒硝・大黄などを配合した瀉下通腑を併用し、臓腑同治の法則を体現した方剤が適応する。
〈代表方剤〉 白虎承気湯(第六章「二臓同病」の肺脾同治の項を参照)。
白虎湯証とともに脉が洪大で中空、甚だしいときは虚散を呈する場合は、邪熱熾盛によって心肺の気虚を併発しているので、清気の方剤に人参の配合により益気強心して心肺機能を回復させるべきである。
〈代表方剤〉 白虎加人参湯。
熱病の後期に、熱勢は減退しても傷津が著しい場合は、沙参や麦門冬などを加えて養陰増液すべきである。
〈代表方剤〉 竹葉石膏湯。
このように、麦門冬を配合した竹葉石膏湯などは、養陰と清熱併用の配合法則を体現したものである。
衛気営血弁証においては、辛寒清気法が熱在気分を治療する基本法則であるが、実際の臨床では証候にもとづいて、
@辛涼解表法と併用して清熱透邪する銀翹白虎湯。
A清営涼血法と併用して気営両清する化斑湯(二臓同病、心肺同病の項を参照)。
B涼血熄風法と併用して気血両清する犀羚白虎湯(二臓同病、肝肺同病の項を参照)。
などの方剤を組み立てる。このような各種の治法を併用した配合の工夫により、本法の応用範囲を拡大することが可能である。
白虎湯証に対し、歴代の傷寒論の注釈家は、風寒の邪が陽明経に伝入して熱化し純熱無実〔陽明経の熱証という無形の熱邪のみで、陽明腑実という有形の実邪は形成していない〕の病態であると解釈しているが、子細に検討してみると、これは間違った解釈と思われる。筆者は以下に述べる五つの理由から、白虎湯証を肺の病変であると認識している。
(1)仲景の原書〔傷寒論〕において、白虎湯証が一番最初に見られるのは太陽病篇である。太陽病は表証を呈する外感風寒初期の総称であり、肺は気を主り外は皮毛に合して表を主るので、表証が化熱すると気分熱盛を呈するのが無理なく自然な伝変法則である。さらに、本方の名称から考えると白虎は西方の神であり、内は肺に対応している。それゆえ、白虎湯と命名された所以は、本方が肺経気熱を治療する主方であることを示すためであり、肺経の治療方剤とみなすことが仲景の考えに、より近いものと思われる。
(2)諸気はみな肺に属し、気が鬱すれば化熱する。それゆえ、気分熱盛を清する主方である白虎湯を肺経の治療方剤とみなすことは、本証の病理機序によりふさわしいものと考えられる。
(3)呉鞠通は白虎湯を《温病条弁》の上焦篇で太陰温病の治療方剤として記載し、独自の卓見によって敢えて従来の通説を覆したが、白虎湯証を肺の病変とみなすことは、このような呉氏の卓見に沿うものである。
(4)白虎湯証は呼吸器系の伝染病で多く見られることからも、本証を肺臓の病変とみなすことは臨床的な説得力を持つ。さらに、大青竜湯・小青竜加石膏湯・厚朴麻黄湯・越婢湯・越婢加半夏湯などの肺の病変を治療する諸方剤を見てみると、いずれも石膏を用いているが、胃熱の治療方剤で石膏を用いることは少ないことからも、白虎湯の作用は肺熱を清する方剤であって胃熱を清するものではないことを裏付けている。
(5)衛気営血の伝変法則から分析すると、気分の熱邪は少陽三焦をルートとして陽明に順伝して裏結するか、心営に内陥して気営両燔を呈するか、または完全に営分に伝入してしまうかのいずれかである。このように、気分熱盛の白虎湯証を肺の病変とみなせば、伝変法則が理解しやすくなる。
方剤例
〔一〕白虎湯(《傷寒論》)
【組成】 石膏一五〜六〇g 知母一〇〜二〇g 甘草六〜一〇g 粳米一〇g
【用法】 水煎服用。
【病機】 気分熱盛。
【治法】 辛寒清熱。
【適応証】
熱在気分による高熱・汗出・舌燥・煩渇引飲〔激しく口渇して飲みたがる〕・脉は洪大で有力あるいは滑数。
〔二〕白虎加桂枝湯(《金匱要略》)
【組成】 石膏一五〜六〇g 知母一〇〜二〇g 甘草六g 粳米一〇g 桂枝一〇g
【用法】 水煎服用。汗が出れば治癒する。 【病機】 気分熱盛。
【治法】 辛寒清熱・和営通絡。
【適応証】
温瘧〔内に伏邪があり、夏季に暑熱を受けて発病する瘧疾の一種〕で、脉は正常・悪寒はなく発熱・骨節煩疼〔関節部の激しい疼痛〕・時に嘔吐。
〔三〕白虎加蒼朮湯
(《活人書》)
【組成】 石膏一五〜三〇g 知母一〇〜一五g 甘草六g 粳米一〇g 蒼朮一〇〜一五g
【用法】 水煎服用。
【病機】 気分熱盛・湿微。
【治法】 清熱除湿。
【適応証】
湿温〔湿熱の邪を感受して発病する熱性病の一種〕で、憎寒壮熱〔激しい悪寒と発熱〕・口渇・全身の疼痛。
〔四〕白虎加人参湯
(《傷寒論》)
【組成】 石膏一五〜三〇g 知母一〇〜一五g 甘草六g 粳米一〇g 人参一〇g
【用法】 水煎服用。
【病機】 気分熱盛・津気両傷。
【治法】 辛寒清熱・益気生津。
【適応証】
気分熱盛により、大熱・大渇・大汗・脉は大で虚。
〔五〕銀翹白虎湯(験方)
【組成】 金銀花三〇g 連翹一五g 大青葉三〇g 板藍根三〇g 石膏三〇g 知母一五g 甘草六g
【用法】 水煎服用。
【病機】 暑温初起・熱在気分。
【治法】 清熱解毒。
【適応証】
暑温〔暑熱の邪を感受して発病する急性熱病の一種〕の初期で熱邪が気分にあり、高熱・汗出・口渇・脉は洪大で有力。
〔六〕竹葉石膏湯(《傷寒論》)
【組成】 竹葉一〇g 生石膏三〇g 半夏一二g 人参六g 麦門冬三〇g 甘草六g 粳米一〇g
【用法】 水煎服用。
【病機】 熱病後期・余熱未清。
【治法】 清熱降逆・益気生津。
【適応証】
(1)熱病の後期で余熱が残り、羸痩(るいそう)・少気〔言語に力がなく呼吸が微弱で短い息切れ状態〕・嘔気・咽の乾燥・口渇・舌質は紅・舌苔は少ない・脉は虚で数。
(2)傷暑により口渇し、脉が虚で熱があるとき。
(3)胸中がほてりイライラして眠れず、脉が虚数の場合。
御意見や御質問をどうぞ : はじめまして。●●に住む38歳の主婦です。とあるように、4年以上もの長期に亘って強烈な咽喉の痛みに悩まされ、おまけに一年間は逆効果の小青竜湯を投与されていたとんでもない事例ですが、この御質問の直後に、関西から直接一泊二日で当方に来られました。
私は慢性気管支炎(乾燥した咳で痰が出ません)と咽喉痛で苦しんでいます。病院で検査をした結果「気管支炎と咽頭炎です。繰り返しますよ。」と言われました。医師に処方してもらう消炎剤や咳止め薬は効きません。
昨年7月から1年間漢方薬を続けてきましたが思うように治りません。
その漢方薬局では、「体の冷えが原因です。」と言われまして小青竜湯を中心にした漢方薬を服用していました。
現在、咳の症状は軽いのですが、口がカラカラに乾いて咽喉痛や咽喉から胸にかけて不快症状(痛痒い)が続きます。
以上、典型的な小青竜湯の誤投与の文面である。
肺寒停飲の証候を呈するのであれば、確かに小青竜湯は素晴らしい効果を発揮するが、昨今の社会風潮では「肺寒停飲」を確かめもせず、あるいはその基礎理論に無知なまま、不適応者に対する鑑別能力のないまま、あまりにも乱用が目立ち過ぎるのである。
今回のケースはたまたま漢方薬局で出されていたが、小生の地元ではもっぱら医療用漢方での誤投与が顕著で、言葉は悪いが、その尻拭いばかりをさせられている。(今年は珍しく、ほんの数例に減少している。)
また、昨今ブームの「冷えが原因」とする余りにも短絡的な病因論も大いに問題である。ネコも杓子も「冷え」に帰するというのだから、稚拙極まりない論法である。
最初の原因が何でアレ、炎症性疾患を抱えている場合に、過度な温熱的治療方法は逆効果になることを知る専門家が、意外に少ないのに些か驚いている。
風邪を引いた時や、鼻の調子が悪くなった時だけ、つまり急性期の病状を呈した時のみやって来られるお馴染みさん。
今回は、風邪を引いた訳でもないのに、鼻の調子が悪くなったと思ったら7度4分の微熱を伴ってここ二三日のことだが、また以前のように病院に行っても必ずよけいに悪化し、一月以上経過してこじれにこじれて、結局は漢方薬のお世話にならないと治らなかった過去の繰り返しの経験から、最近は調子が悪くなるとそのまま漢方薬を求めて来られるのが習慣となっている。
今回は銀翹散製剤と辛夷清肺湯に補助的に白花蛇舌草の三種類。風邪を引いて急性副鼻腔炎が誘発されたのではないので板藍根は省略した。
このようなケースでは、西洋医学ではエリスロマイシン系の抗生物質とムコダイン類の併用が一般的で、よく奏功する人と、意外にまったく奏功しない人もある。
これについてあらためて一昨日、身近な内科医(耳鼻咽喉科医ではないのが残念だが)に確認したところ、奏功しない場合の次に打つ手は五里霧中となるのが本音のようであった。最終的には手術ということらしい。
ともあれ、上述の人は毎回上記の配合でほぼ一週間以内で治るものの、体質改善を徹底的に行えない事情もあって、それゆえ急性再燃時だけでも、こじれる前に早めに漢方薬で手を打つことで、急場を凌いでいる。
幸いにいつも即効が得られている。
十七、湿熱証にて、嘔悪止まず、昼夜差(い)えず死せんと欲するは、肺胃和せず、胃熱は肺に移り、肺は邪を受けざるなり、宜しく川連四分、蘇葉二三分を用うべし、両味の煎湯、呷下すれば即ち止む。
【自注】 肺胃和せざれば、最も嘔を致し易し。けだし胃熱は肺に移り、肺は邪を受けず、環りて胃に帰す。必ず川連を用いてもって湿熱を清し、蘇葉をもって肺胃を通ず。これを投じて立ちどころに癒ゆるは、肺胃の気は蘇葉にあらざれば通ずるあたわざるをもってなり。分数の軽きは、軽剤をもって恰も上焦の病を治するのみ。
本条は、肺胃不和による嘔悪不止の治療を述べている。
肺胃の気は下降するのが順であり、相互に助けあっている。湿熱の邪が胃を犯すと、胃気が上逆して肺を上犯するが、肺気が正常である場合には肺が邪を受けず、邪が肺気の粛降によって胃に帰り、胃気をさらに上逆させるために、胃気上逆が甚だしくなって昼夜にわたって悪心・嘔吐が続く。これが肺胃不和である。
黄連・蘇葉ともに止嘔の効能をもち、黄連で胃の湿熱を清し、蘇葉で肺気を開宣し、邪を表外に達させて、胃に帰さない。薬量が非常に少ないのは、軽剤により上焦に薬効を及ぼすためである。
本条は、湿熱の余邪が胃に残存して悪心・嘔吐を生じたときの証治を検討したものである。
(一)症候と病機
嘔悪不止が主症である。湿熱病で湿熱の余邪が胃を犯し、胃失和降を生じて気が上逆したために、嘔悪不止となったものである。原文中の「昼夜差えず、死せんと欲っす」とあるのは、悪心・嘔吐の激しさを形容したまでのことで、決して危篤な状況を意味しているわけではない。実際には胃における余邪の残存による症状にすぎず、病勢・病位は比較的軽くて浅い。
薛生白氏の述べる「肺胃和せず、胃熱は肺に移り、肺は邪を受けず」にもとづいて本証の病機を解釈するのは、適切でないように思われる。悪心・嘔吐を生じる病変機序は主として胃気上逆であり、肺との関連は少ないので、敢えて肺を関連させて解釈する必要はない。
(二)本証に対する治療用薬
本証は湿熱の余邪が胃に残留したために胃気が上逆して生じたものであるから、清熱燥湿の川黄連で胃火を清熱降火し、蘇葉で通降順気(通順降気)するのである。わずか二味で薬用量も極めて少量であるが、適切な配合であるから、病邪が強烈でない限りは優れた効果が得られる。
薛生白氏による【自注】に「軽剤をもって恰も上焦の病を治す」とあるのは、本証の病位が比較的上部であるので、軽剤を用いるべきことを説明したものである。しかしながら、本証の病変が上焦にあるものと限定するのであれば妥当性を欠く結論であり、実際には胃気上逆による中焦の病変なのである。
暑邪傷肺・宣肺滌暑
暑邪傷肺 = 暑熱が肺衛を侵犯した(という)病変機序を指す。
宣肺滌暑 = 暑邪傷肺にもとづいて考案された治療法則である。
暑は六淫の邪であり、人体を侵犯すると肺衛が真っ先に影響を受ける。肺は気を主っているので、肺が暑邪に犯されると、暑邪によって気が損傷されるか、暑湿によって気が阻遏されて、病態を呈することとなる。
葉天士の《臨床指南》には「暑熱は必ず湿を挟む。吸気して受け、先ず上を傷る。ゆえに仲景の傷寒、先ず六経に分かつも、河間の温熱、須らく三焦を究むべし。おおよそ暑熱は気を傷り、湿著〔暑湿〕は気を阻む。肺は一身周行の気を主り、位は高く、手の太陰たり」と述べられており、暑病に関する四つの問題を提出している。
@暑邪が侵襲する部位
暑は「吸気して受け、先ず上を傷る」ことにより、肺系統が先ず影響を受ける。
A暑邪の特性
「暑は必ず湿を挟む」。
B暑邪傷肺の病理変化
二種類の転帰があり、一つは暑熱傷気であり、一つは湿著阻気〔暑湿阻気〕である。
C暑病の伝変法則
暑は熱病の範疇にあり、傷寒六経分証とは異なるもので、三焦の論治にもとづく必要がある。
このように、暑邪は「吸気して受け、先ず上を傷る」と述べた葉氏の見解は、手太陰の病位概念であり、六淫が人体を侵犯したときの一般法則と合致する。肺は呼吸を司り、外は皮毛に合するので、六淫の邪は上から受けるかあるいは表から侵入され、いずれの場合も肺衛を直接侵犯するのである。
暑は必ず挟湿する理由については、邵新甫氏が詳細明確に述べている。
「天の暑熱(が)一たび動けば、地の湿濁はおのずと騰る。人は蒸淫熱迫の中に在りて、正気(が)もしもあるいは隙あるが若くあれば、すなわち邪は口鼻より吸入し、気分(が)先ず阻まれ、上焦に清粛は行らず、輸化の機は常度を失し、水穀の精微はまた蘊結して湿をなすなり。人身は一小天地なり。内外は相応ず。ゆえに暑は必ず湿を挟むとは、すなわちこの義のみ」と。
暑病は臨床上、暑熱傷気により津液が熱灼を受け、純熱無湿で「汗出で悪寒し、身熱して渇す」の白虎加人参湯証ばかりでなく、暑邪挟湿により、有形の水が皮毛を鬱遏して汗液を閉じ込め「身熱・疼重」を呈する黄連香じゅ飲証も見られる。
葉氏自身も、本病〔暑病〕には暑熱傷気と湿著阻気の二種類の病変があると述べている。その趣旨を敷衍すれば、暑熱が傷気すると津液を損傷・消耗することが多く、肺気が痺阻されてはじめて暑湿の病変が生じるのである。それゆえ、「暑は挟湿することが多い」といえても、「暑は必ず挟湿する」と決め込むことはできない。暑病の伝変は上から下であり三焦の論治に従うべし、とされることについては、本病の伝変法則にあてはまっている。
暑邪が太陰を侵犯すると、初期には主として頭痛・悪寒・身体が重くて疼痛がある・顔面紅潮・口渇・身体の熱感・無汗などの症候が現われる。肺が暑邪に干されると宣降機能が失調し、陽気と暑邪が結合して蘊結化熱し、湿凝気阻によって陽気が発越することができなくなり、遂には悪寒・身体の疼痛・壮熱〔高熱〕・無汗・顔面紅潮・口渇などを生じるのである。
暑邪が太陰気分を侵犯した初期で「表寒裏熱」の証候を呈するときは、《温病条弁》の「辛温復辛涼」の治療原則にもとづき、寒温併用して清軽宣発し、熱を透達させてそう理を開くと、暑熱はおのずと解消する。それゆえ、本法では常に辛温の香じゅ・かっ香・蘇葉、辛涼の薄荷・青蒿・連翹・竹葉に、淡滲の芦根・滑石などを配合して処方する。
〈代表方剤〉 新加香じゅ飲・加味香じゅ湯・清絡飲など。
これらの方剤は、宣肺滌暑法を体現している。
暑邪が上焦を侵犯した初期に、遷延させて治療が遅れたりあるいは誤治すると、個体差(体質条件)によって以下の転帰をとる。
@陰虚火旺の体質では、邪は熱化して純熱無湿となり、気分熱盛の白虎湯証、気耗津傷の白虎加人参湯証や生脉散証、暑邪入営・営分熱盛の清営湯証、逆伝心包・蔽阻清竅の牛黄丸証や紫雪丹証などを呈し、温病の衛気営血の伝変法則をたどる。
A陽虚湿盛の体質では、邪は湿化して暑湿混合し、上焦暑湿の天水散証、手・足太陰同病の蒼朮白虎湯証や杏仁滑石湯証を呈し、上から下に向かう三焦の伝変法則をたどる。
方剤例
〔一〕新加香じゅ飲(《温病条弁》)
【組成】 香〓六g 金銀花九g 鮮扁豆花九g 厚朴六g 連翹六g
【用法】 水五杯で煎じて二杯を取り、まず一杯分を服用し、汗が出れば服用を中止する。汗が出なければ再度服用し、全部を服用しても汗が出ないときは、再び湯液を作って服用する。
【病機】 肺受暑熱。
【治法】 宣肺滌暑。
【適応証】
肺が暑熱に犯され、見かけは傷寒に似ており〔つまり悪寒があり〕、右脉は洪大・左脉はかえって小、顔面紅潮・口渇するも汗が出ないもの。
〔二〕加味香じゅ湯(経験方剤)
【組成】 香じゅ一〇g 厚朴一二g 扁豆一〇g 青蒿二〇g 金銀花一五g 連翹一五g 滑石二〇g 甘草三g
【用法】 水煎服用。
【病機】 暑傷肺衛。
【治法】 解表滌暑。
【適応証】暑湿感冒。
〔三〕清絡飲(《温病条弁》)
【組成】 鮮荷葉辺六g 鮮金銀花六g 西瓜翠衣六g 鮮扁豆花一〇g 絲瓜皮六g鮮竹葉心六g
【用法】 水二杯で煎じて一杯を取り、一日二回服用。
暑邪が肺経気分を犯した軽症のものに用いることができる。
【病機】 暑傷肺絡。
【治法】 辛涼清絡。(辛涼芳香法)
【適応証】
(1)手の太陰暑温で、発汗後に傷暑による症候はほとんど回復したが、頭が少し脹り、目がスッキリせず、余邪が残存しているもの。 (2)暑熱傷肺で、身熱や口渇は激しくないのに、頭や目がすっきりしない・昏眩〔立ちくらみや頭のふらつき〕・頭が少し脹るなど。
〔四〕黄連香じゅ飲(《活人書》)
【組成】 香じゅ一二g 黄連(酒に漬けて炒る)三g 厚朴(生姜で製する)六g
(原方の分量は過少ゆえ、二倍量として記載)
【用法】 水煎して熱服。
【病機】 傷暑偏熱。
【治法】 清熱�去暑
【適応証】
傷暑で、大熱〔非常に暑がる〕・煩渇〔激しい口渇〕・舌質は紅・舌苔は黄膩・脉は濡数など。
風邪に参蘇飲・銀翹散
暖房設備や食生活など、生活環境の変化にともなって、日本国民の体質傾向が異なって来るのは当然とはいえ、数年前まではアトピー性皮膚炎に対して、ほとんど必要性を認めなかった補中益気湯類が、今や本州末端のわが薬局でも繁用方剤となっている現状は、政治経済の急速な変化と呼応しているようです。これと同様なことが、最もありふれた疾患「風邪」においても見られるようで、
@「風邪を引くといつも病院では葛根湯や麻黄湯とか、小柴胡湯なども一緒に下さるのですが、一向にスッキリと治ったためしがありません。」
A「風邪薬を求めて薬局に行くと、昨年まではどこの店でも大抵、葛根湯を出されていましたが、不思議なことに、今年からは一般の新薬類しかすすめられなくなりました。確かに葛根湯よりも、普通の風邪薬の方がマシみたいでした。」
B「風邪を引いて以後、一ヶ月も病院に通っているのですが、一向に微熱がとれず、寒くて元気が出ず、咳も続いています。」
C「風邪を引いて一ヶ月、病院の薬も一般の薬局の薬も、何を飲んでも激しい咳き込みが止まりません。」
以上は、風邪の漢方薬を求めて来局される場合の代表的な四例ですが、Bは柴胡桂枝乾姜湯、Cは麦門冬湯など、風邪の後期の症状として対処できます。
問題は@Aのように、風邪の初期段階の治療に、葛根湯が無効な事例が増えていることで、昨今は気虚感冒の参蘇飲や、外感風熱の銀翹散の適応例が圧倒的に増加しているようです。流感などでは、参蘇飲合銀翹散が適応する症例も増えているようです。
水様性鼻汁の分泌が甚だしいアレルギー性鼻炎にしても、小青竜湯証であることは少なく、参蘇飲が適応する症例が増加しているようです。一般薬局や病院から辛温発散作用の強烈な小青竜湯が出され、過度な連用によって辛夷清肺湯証を誘発しているケースが多々見られます。
つまり、アトピー性皮膚炎のみならず一般の風邪においても、昨今は肺・脾の虚が内在しているケースが急速に増加しており、このために邪実に対する配慮ばかりでなく、正虚に対する十分な配慮を必要とする脆弱・華奢な時代を迎えているに違いなく、サッカーのW杯アジア最終予選の悲劇と、まんざら無縁ではなさそうです。
●銀翹散・参蘇飲・葛根湯
日常的に遭遇する「風邪」の治療に、温病理論の応用は不可欠であり、同時に西洋医学的な発想からも、抗箘・抗ウイルス作用をもつ軽質・芳香性の清熱解毒・疏散風熱薬「金銀花」や「連翹」などに注目すべきである。方剤としては銀翹散が重要であるが、近年エキス製剤が市販されているおかげで、日本漢方では不可能に近かった流感でも、インスタント漢方によって容易に対処できる時代である。
風邪の初期治療は、筆者のところでは近年、参蘇飲・銀翹散・葛根湯の三方剤によって解決することが多い。こじらせてやって来た場合は、柴胡剤や麦門冬湯など多彩な方剤を使用することになるが、一般的な風邪から流感まで、初期段階ではこれら三方剤のエキス製剤の組み合わせで対処できることが多いのである。
@参蘇飲+銀翹散、A参蘇飲、B葛根湯、C銀翹散、D葛根湯+銀翹散、E銀翹散+他方剤、という順の使用頻度であるが、特に流感については@DECの順であり、AやBの単独投与は殆どあり得ない。
また、これら三方剤の組み合わせは、アレルギー性鼻炎にそのまま有効である。たとえば、日本流で小青竜湯証とされている鼻炎の中には、実際には参蘇飲証やカッコウ正気散証であることが多く、鼻閉が強い場合でも参蘇飲+葛根湯加辛夷川キュウや、参紫蘇+辛夷清肺湯などで十分に対処し得るのである。
近年問題になっている花粉症などでは、参蘇飲や銀翹散を主体に、参蘇飲+銀翹散など、上記の感冒治療の方法がそのまま通用することも多い。蓄膿症などでは、銀翹散+辛夷清肺湯や、銀翹散+葛根湯加辛夷川キュウなど、銀翹散の応用範囲も広い。
参蘇飲は、皮毛より寒邪を感受した一般的な風邪に適応者が多く、水様性の鼻汁を伴うクシャミの頻発などの鼻炎症状には特に著効がある。銀翹散を併用すれば、外は風寒に侵襲されて口鼻からは温熱の病毒(流感ウイルス)の吸入を伴った流行性感冒に適応する。さらには、他方剤の併用により、喘息やアトピー性皮膚炎にも応用できることを経験している(参蘇飲+辛夷清肺湯など)。また「肩が冷える肩こり症」にも単方で著効を得ることが多い。
銀翹散は、口鼻から温熱の病毒を吸入して発病する流感のみならず、急性および慢性扁桃腺炎・化膿性皮膚疾患・花粉症・急性結膜炎・アトピー性皮膚炎などに適応があり、抗生物質的な使用も可能である。
従来、日常的によく見られる急性疾患には葛根湯が代表的な方剤であったが、現代は参蘇飲と銀翹散の有用性が目立ち、これら三方剤の時代と言えそうである。
●流行性感冒に対する経験
冬期の流行性感冒に対しては、たとえ初期症状が傷寒に見える場合でも、温病理論にもとづく外感風熱に対処する治療方法を参考にしなければ治療困難な場合が多い。つまり、流感に対しては葛根湯や麻黄湯・大青竜湯などでは治療が困難で、西洋医学的な発想から銀翹散などのように強力な抗箘・抗ウイルス作用のある方剤を必要とすることが多いと考えている。
たとえば、今年の流感では一般の西洋医学治療では略治するまでに一週間はかかった者が多く、そのために例年になく漢方を求める流感患者が多かった訳であるが、参蘇飲合銀翹散により数日で略治したものが八割以上を占め、そのほかは葛根湯合銀翹散などで短期間で略治したのである。
筆者が扱った今年の流感患者を分析すると、気虚体質の者や一時的に気虚に陥った者が、皮毛より寒邪を感受して気虚感冒に罹患するのと同時に、口鼻からは温熱の病毒である流感ウイルスを吸入して発病し、悪寒発熱・頭痛・咳嗽・咽痛を生じ、体温も比較的高熱を示したものと考えられる。それゆえ、気虚感冒に対する参蘇飲と抗ウイルス作用の強力な銀翹散の合方にて良効が得られたものと解釈している。
中医学の文献中において、春温の概念はすべて一致しているわけではない。春季の各種温病を「春温」で概括している場合がある。例えば邵仙根は《傷寒指掌》の中で“春温病は両種あり。冬に寒邪を受けて即病せず、春に至りて伏気発熱する者は、名ずけて春温と曰う。若しも春令太だ熱し、時邪を外受して病む者は、此れに感じて即発するの春温なり。”と述べているが、「感じて即発するの春温」とは実際には風温に属するものである。とあるように、現代中医学でいう「風温」と同じものを「春温」と表現していた時代もあるということだ。
8 風 温以下、「8・3・2・1 邪熱壅肺」 「8・3・2・2 痰熱結胸」など続くが、本ブログの性質上、第二水準の漢字の多くが使用できず文字化けが多くなるので省略
風温は、風熱の病邪を感受して引き起こした急性の外感熱病である。初期には、発熱、軽度の悪風寒、咳嗽、軽い口渇等の肺衛の症状をその特徴としている。多くは春と冬の二つの季節に発病し、冬季に発病する場合には冬温という。
風温の名は、最初に《傷寒論》で見られ“若し発汗已みて、身が灼熱
する者は、名づけて風温と曰う”とある。しかしながら、ここで指摘されているのは熱病を誤って発汗した後の壊証に関するものである。朱肱の《傷寒類証活人書》{1107年}の中では、風温の病因は“其の人もと風に傷れ、復た熱に傷るるに因りて風熱相ハクし、即ち風熱を発す”るものであり、その症状は“脉は尺寸倶に浮、頭疼身熱し、常に自汗出で、体重く、其の息必ず喘し、四肢収まらず、〓々として但眠らんと欲す”というものであり、その治法は“治は少陰、厥陰に在り”“発汗すべからず”である、と指摘している。
清代に至って葉天士は“風温は春月に風を受け”るものであると明確に打ち出し、風温は春季の新感温病であるとした。あとを継いで、陳平伯は風温の専門書《外感温病篇》を著わし、風温の病因、病機と証治について、系統的な論述を行った。まさに陳平伯が“風温の病為る、春月と冬季に居すこと多く、或いは悪風し、或いは悪風せず、必ず身熱、咳嗽、煩渇す”と述べているのは、本病の発生季節と初期の臨床特徴をはっきり指し示したものである。これより、風温病関係を専門に検討し、理法を詳述する。
現代医学における流行性感冒、急性気管支炎、大葉性肺炎等は、本病の弁証治療を参考にされたい。
8.1 病因病理
本病の病因は、春や冬に風熱の病邪を感受することである。春季は風木の時節で、気候は温暖で風が多く、陽気はのぼり、生れつき虚弱な人や生活が不摂生であると、風熱の病邪を感受して本病が形成される。このことを葉天士は“風温は春月に風を受け、その気は已に温なり”と言い、また呉革菊通は“風温は初春に陽気が始めて開き、厥陰行令し、風に温を挟むなり。”と述べている。もしも冬季の気候が常に反し、寒いはずのものがかえって温かいとき、人体の正気が不足していれば、また風熱の病邪を感受して本病が発生する。それ故、呉坤安は“凡そ天時晴燥にして、温風暖に過ぎ、其の気を感ずるは、即ち是れ風温の邪なり”と述べ、本病が“温風暖に過ぐ”の条件のもとに形成するものであることを明確に指摘している。
風熱の病邪に外感すると、多くは口鼻から入り、肺は高い位置にあるので、まっ先にその攻撃を受ける。だから本病の初期には邪が上焦にあって手の太陰肺経が病変の中心となる。それ故、呉革菊通は“凡そ温を病むは、上焦に始まり、手の太陰に在り”と述べている。肺は気を主り衛に属して皮毛に合するものであるから、衛気は皮毛に分布している。このため、病変の初期には、発熱、悪風、咳嗽、軽度の口渇などの肺衛の証候が出現する。もしも肺衛の邪が解けないと、その進行はたいてい二つ過程をたどる。
一つは胃に順伝し、もう一つは心包に逆伝する。葉天士は“温邪は上に受け、首先に肺を犯し、心包に逆伝す”と述べ、風温の初期の病変場所と伝変法則を明確に指摘している。一般的には、邪熱が胃に順伝すると衛から気に転じ、多くは陽明の邪熱熾盛の証を呈するが、もしも邪熱が心包に逆伝すると、必ず昏迷、譫妄などの意識障害の証候が現われる。病変過程中にもしも邪熱壅肺すると、痰熱喘急が出現する可能性があり、熱が血絡に入ると、紅疹が発生しやすくなり、病が後期になると、多くは肺胃陰傷の証を呈するもので、これらも本病の特徴の一つある。
8.2 診断の要点
@ 春冬の二つの季節に発生する外感熱病は、本病の可能性を考えなければならない。
A 発病初期には、発熱、悪風寒、咳嗽、口渇、脉が浮などの肺衛の症状が現われ、後期には多くは肺胃陰傷を生じる。これ等が本病の主な診断根拠である。
B 春季の春温等の病状との鑑別に注意しなければならない。春温との鑑別は春温の章で述べる。
8.3 弁証論治
本病の治療は、初期には邪が肺衛にあるので、辛涼で宣解して邪を外に駆逐するとよい。もしも邪が気分に伝わった場合には、辛寒清熱するかまたは苦寒攻下するとよい。心包に内陥した場合には、必ず清心開竅しなければならない。本病が後期に至り、熱邪は既に退いたものの肺胃津傷が回復しない時には、甘寒で肺胃の陰を清養するとよい。葉天士は《三時伏気外感篇》の中で“此の証は初め、発熱、喘嗽に因る。首に清涼を用いて上焦を静粛す。・・・・・・若し色蒼く、熱勝り、煩渇すれば、石膏、竹葉を用いて辛寒清散す。┘症も亦当に此れを宗とすべし。若し日数漸く多くして、邪解するを得ざるは、ゴン・連にて涼膈も亦選用すべし。熱邪ダン中に逆伝するに至れば、神昏目瞑、鼻竅に涕泪無く、諸竅閉じんと欲し、其の勢い危急なり。必ずや至宝丹或いは牛黄清心丸を用うべし。病減じて後余熱あらば、只甘寒にて胃陰を清養するに足るなり”と述べている。これは本病の進行過程における各段階の治療について具体的に論述したものである。
8・3・1 邪襲肺衛の証治{診断と治療}
【症状】 発熱、軽度の悪風寒、無汗あるいは少汗、頭痛、咳嗽、軽度の口渇、舌苔は薄白、舌の辺と尖が紅、脉は浮数。
これは風温の初期で、邪が肺衛を襲った証である。邪が表を犯すことによって衛気が鬱せられ、開合機能が失調するので、発熱、軽度の悪風寒、無汗あるいは少汗が現われる。衛気が鬱阻して経脉不利となると頭痛する。肺気が宣暢を失するので咳嗽が現われる。温熱の邪は容易に津液を傷つけるので、病初は軽度の口渇を感じる。ただし裏熱が亢盛で口渇がひどく水を欲しがるものとは多少異なる。風熱の邪が表にあると、舌苔薄白、舌の辺と尖が紅、脉は浮数の証が現われる。本証は外感風寒とよく似ているが、風寒が表にある場合には、必ず発熱は比較的軽く、悪寒がかなりひどい。また口渇はなく、脉は多くは浮緩や浮緊がである。両者の証候には明らかに違いがある。
【治法】 辛涼解表、宣肺泄熱。
【方薬】 銀翹散(《温病条弁》)
連翹一両 金銀花一両 苦桔梗六銭 薄荷六銭 竹葉四銭 生甘草五銭 荊芥穂四銭 淡豆鼓五銭 牛蒡子六銭
上記を搗いて散とし、毎回六銭を服用する。鮮葦根を煎じ、香気がよく出たところでこれで服用する。煎じすぎてはならない。肺の薬は軽清がよく、煎じすぎると味が濃くなって中焦に入ってしまう。病が重い場合は約四時間ごとに一服、日中に三回、夜一回、軽い場合は約六時間ごとに一服、昼二回、夜一回服用する。病が緩解しない場合はくりかえし服用する。
呉革菊通は“上昇を治するは羽の如し、軽からざれば挙がらず”と述べている。それ故、本方では軽清宣透の薬物を採用して、肺衛の邪を清宣する。方剤中の荊芥穂、豆鼓、薄荷は解表発汗し、邪を外へ追い出す。牛蒡子、甘草、桔梗は肺気を軽宣して咳嗽を除く。連翹、金銀花、竹葉は清熱宣透する。葦根は少津止渇する。本方を薬物から考察すると、辛涼を主として少量の辛温の薬物で少し佐けている。それ故、呉革菊通は本方を辛涼の平剤と称した。風熱が表に客して発熱、悪寒、無汗の場合に最もよく適用される。もしも悪寒がなくなれば、荊芥、豆鼓は用いない方がよい。本方を湯剤とし煎じて服用する場合、薬味の用量は上記の分量を参考にして減量する。煎じる自汗は長すぎない方がよい。
もしも温熱灼津によって口渇がかなり激しい場合は、天花粉を加えて生津清熱する。
温毒が重なって項部が腫張し咽痛する場合は、馬勃、玄参を加えて解毒消腫する。
肺気の粛降機能が失調して咳嗽がかなり激しい場合は、杏仁を加えて肺気を宣利する。
熱が津液を傷つけ小便が出しぶることが重なる場合は、知母、黄ゴン、梔子の苦寒薬と、麦門冬、生地黄の甘寒薬を加え、清熱化陰するとよい。
桑菊飲(《温病条弁》)
杏仁二銭 連翹一銭五分 薄荷八分 桑葉二銭五分 菊花一銭 苦桔梗二銭 生甘草八分 葦根二銭
水二杯で煮て一杯を取り、一日に二回服用する。
本方も辛涼解表剤で、薬は桑葉、菊花、連翹、薄荷の辛涼性のものを用い、風熱を軽く透泄する。桔梗、甘草、杏仁は肺気を宣開して咳嗽を止める。葦根は生津止渇する。本方と銀翹散はともに辛涼解表の方剤で、いずれも風熱が肺衛を侵犯した証に運用される。ただし銀翹散には荊芥、梔子の辛散透表薬が辛涼薬物中に入っていて解表力が比較的強いので、“辛涼の平剤”と称する。そして桑菊飲は大部分が辛涼薬で、薬量が比較的少なく、解表力は銀翹散よりも劣るので、呉革菊通は“辛涼の軽剤”と称した。しかしながら桑菊飲は杏仁を用いて肺気を降ろすので、咳を止める効能は銀翹散よりも優れている。
もしも熱入気分が重なり、呼吸があらく喘ぐ場合は、石膏、知母を加えて気分の熱を清する。
もしも肺熱がかなりひどい場合は、黄ゴンを加えて肺熱を清する。
もしも熱が津液を傷つけて口渇する場合は、天花粉を加えて清熱生津する。
8・3・2 熱入気分の証治
風邪(インフルエンザも含む)の一般的な治療方法
〔基本方剤〕「@銀翹散製剤」と「A板○根)」
風邪・インフルエンザ・扁桃腺炎などの急性熱性疾患で、咽喉(のど)の痛み・咳嗽(せき)・頭痛などがあり、
*寒気が強いときや胃弱の人は「B参蘇飲(ジンソイン)」を併用します。
*水瀉性下痢や吐き下しの合併では必ず「Cかっ香正気散(カッコウショウキサン)」を併用。
★こじれそうな場合の対処方法
●高熱(38度以上の熱が続く場合) @Aに「D地竜(ミミズ)」を併用。
●鼻詰まりがひどい場合 @Aに「E辛夷清肺湯」を併用。
●咽喉(のど)の乾燥が顕著な場合 @Aに「F西◎◎参)」を併用。
●胸痛や胸部に違和感や熱感がある @Aに「G結胸散(小陥胸湯加減方)を併用。
●咳で胸が痛く胸部に熱感がある @AにEGを併用。重症では必ず「I白×蛇×草」も追加する。もしも乾燥刺激感が強ければFも併用。
●腎盂腎炎を併発した場合 @Aに「H猪苓湯」とI。
以上をヒントに適宜組合せを工夫すれば、比較的短期間で治癒することが出来ます。
但し、体質と症状によって配合が微妙に異なりますので、詳しくは直接お問合せ下さい。(病状によっては、上記の漢方薬以外のものも使用することがありますので。)
風邪や流行性感冒(インフルエンザ)のようなウイルス感染症の基本は・・・・・・で、最初から最後まで、また日頃からの予防にも必需品です。
もしも、細菌感染を合併して治りが遅い場合は・・・・・・・も併用すれば効率が上がります。
●流行性感冒に対する経験
今回は「表衛失調」における表寒証の検討であり、つまり外感風寒に対する七種類の辛温解表法が解説されている。寒邪の侵襲によるいわゆるカゼの初期症状に対する治療方法であるから、よく見られるカゼの初期症状の治療に参考価値が高い。
しかしながら、冬期の流行性感冒に対しては、たとえ初期症状が傷寒に見える場合でも、温病理論にもとづく外感風熱に対処する治療方法を参考にしなければ治療困難な場合が多い。
つまり、流感に対しては葛根湯や麻黄湯・大青竜湯などでは治療が困難で、西洋医学的な発想から銀翹散などのように強力な抗箘・抗ウイルス作用のある方剤を必要とすることが多いと考えている。
たとえば、今年の流感では一般の西洋医学治療では略治するまでに一週間はかかった者が多く、そのために例年になく漢方を求める流感患者が多かった訳であるが、参蘇飲合銀翹散により数日で略治したものが八割以上を占め、そのほかは葛根湯合銀翹散などで短期間で略治したのである。
訳者が扱った今年の流感患者を分析すると、気虚体質の者や一時的に気虚に陥った者が、皮毛より寒邪を感受して気虚感冒に罹患するのと同時に、口鼻からは温熱の病毒である流感ウイルスを吸入して発病し、悪寒発熱・頭痛・咳嗽・咽痛を生じ、体温も比較的高熱を示したものと考えられる。
それゆえ、気虚感冒に対する参蘇飲と抗ウイルス作用の強力な銀翹散の合方にて良好が得られたものと解釈している。
なお、表衛失調には外感風寒のほかに、外感風熱・暑邪傷肺・外傷於湿(湿滞体表)・燥邪傷肺・外中風邪などの病機がある。
気虚体質の者や一時的に気虚に陥った者が、皮毛より寒邪を感受して気虚感冒にかかり、同時に口鼻からは温熱の病毒であるインフルエンザウイルスを吸入してたために、悪寒発熱・頭痛・咳嗽・咽喉腫痛を生じ、体温も比較的高熱発したのであろうという解釈の見事さ(笑)であった
漢方を専門とする薬局を経営する薬剤師であるから、子供の病気はすべて自前の漢方薬で治してきた。
親が虚弱な部分があったから、子供も決して丈夫ではなかったので、しばしば病気をして、吐いたり下したり、高熱を発したり、あるいは頻繁にトイレに行く膀胱炎というよりも発熱を伴って腎盂腎炎らしきものに罹ったり、二人の子供の病気をことごとく漢方薬で治してきた。
愚息の高校受験の時には寸前から高熱を発してハラハラしたが、受験中に熱が引きはじめて、午後からは調子がよくなったというので安堵の胸を撫で下ろしたり、漢方専門の薬剤師としてのプライドにかけて、西洋医学の世話には絶対ならないという信念でやってきた。
ところが、休日を利用して小児科医の義弟の家に遊びに行っていた最中、同じ開業医仲間の外科医の先生の奥さんから義弟に電話があり、ご子息が風邪を引いたので特別に診てもらえないだろうかとの御問合せであった!
何が驚いたかといって、薬剤師の小生でも子供のあらゆる病気を自前の漢方薬で治して来たのに、外科が専門とは言え、お医者さんは御自分の子供さんの病気すら、専門外だからと小児科医師の友人に依頼するお気楽さ、といおうか、プライドのなさと言おうか、本当に愕然としてしまったのだった。
いまだにその時のショックを思い出しては、一人ニンマリとするのはナゼだろうねっ
日本漢方には「傷寒論」があっても「温病学」がないのは致命的かもしれない
医療用漢方を含めて、日本漢方には「温病学」がない。
傷寒論・金匱要略は聖典として重要視しても、明(みん)から清代(しんだい)にかけて急速に発達した温病学を知らない。
だから呉氏の『温病条弁』を見向きもしない。
このため、一般の風邪だけでなくインフルエンザに対しても威力を発揮する温病に対する漢方処方が使用されることもない。
使用されるのは一握りの中医学専門の医師、あるいは特定の中医学・薬学を重視する薬局・薬店グループ関連で取り扱われるだけである。
お陰でシーズンともなると、たとえば銀翹散製剤は薬局・薬店で大量に売れることになる。
正しく使用すれば、そうとうな効果を発揮するからである。
初期に葛根湯証だの麻黄湯証であっても、ウイルスが強烈な場合は直ぐに温病に転じるのである。
こうなると葛根湯証や麻黄湯証ではないのである。
中医学では常識である「温病」の概念がないから、上気道に関連した急性疾患は、すべて傷寒と判断され兼ねないのが日本漢方の錯誤の最たるものである。
いまからでも遅くないから、傷寒論研究ばかりに労力を費やさずに、その半分の時間を「温病条弁」に向けるべきである。
このままでは「漢方医学」は日本の伝統医学であるなどと、胸を張っておれなくなる。
巷では、風邪に葛根湯という常識が既に崩れ始めている。
病院で貰った葛根湯が意外に効かないので、薬局にかけこんだら銀翹散製剤が出され、これであっさり治ってしまったという例があとを絶たない。
「傷寒論」は異病同治の模範を示したところに意義があり、「金匱要略」は同病異治の模範を示したところに意義がある。
「温病条弁」は現代人の急性疾患を含めて、多くの難病を解決するヒントがたくさん書かれている。
傷寒論・金匱要略のみならず「温病条弁」を学ばなければ、日本漢方の明日はないかもしれないのである。
さいわいに日本では唯一と思われる本書の解説書が医歯薬出版株式会社から出版されている。
神戸中医学研究会編著『中医臨床のための温病条弁解説』
(1998年発行 定価19,950円)である。
年明けそうそうから一薬局でのややイヤミな統計を提出して申し訳ないが、医療用漢方でしばしば風邪やインフルエンザで受診した折に処方される葛根湯の効果についての長期の統計から、ほとんど無効であったとの結論が出ている。
結論から先に言えば、ぞくぞくと寒気がして風邪かなと思って直ぐに受診する患者さんは少なく、市販の風邪薬などで自己治療を行うか、大したことはないだろうと放置して、気がつくと本格的に引き込んでしまっている。
そうなって初めて病院で受診するというケースが大半であるから、初期の悪寒がする時期の終わりかけが、次の段階に移行している状況のために、既に葛根湯証が過ぎている。つまり、葛根湯が一番有効な時期を逃しているということであろう。
葛根湯が適応するのは、風邪の引きはじめに寒気がして首の真裏の項背部分が凝っている状況である。
この「風邪の引き始め」で「寒気がする」「項背部をもむと気持ちいい」「無汗」という条件が揃っていなければ、風邪に対してはほとんど無効である。
だから、病院でもらった葛根湯は無効のまま、次に風邪引きの初期に前回効かなかった葛根湯を取り出して服用してみたら今度は意外に効きました、ということも結構多いようである。
結論として、病院で受診する頃の風邪は、すでに葛根湯の適応を過ぎており、その段階で使用してもほとんど無効ばかりか、ときによってはやたらに温めて発汗作用ばかりを発揮して、発汗過多による体力消耗を来たす場合すらあり得る。
その次が大変重要で、病院を受診する頃には、多くは温病に移行している段階か、あるいは過渡期であったりするから、銀翹散系列の方剤が適応することが多いと思われる。
ところが、中医学ではもっぱら常識的なこの銀翹散製剤は、日本の医療用には無い方剤である。
多くの漢方専門薬局で売られている銀翹散製剤は、風邪・インフルエンザの流行する冬季を迎えて大活躍することになる。
漢方において、臨床の現実に即して考えた場合、杓子定規に「傷寒」だの「温病」だのと歴然と区別すること自体に疑問を呈してもよいかもしれない。
上海科学技術出版社から万友生著「寒温統一論」(1988年発行)という書籍もあるくらいである。
このような内容のブログを「漢方と漢方薬は風邪・流感に本当に有効か?」などというタイトルで連載中ですが、その他にも多数のブログ類で老後の道楽としている昨今です。
本年もどうぞ、宜しくお願い申し上げます。
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