咽喉腫痛もあったので、使い慣れた次の方剤を連用。
涼解楽(銀翹散製剤)、辛夷清肺湯、結胸散(小陥胸湯加味方)、板藍茶、白花蛇舌草
をそれぞれエキス製剤やエキス食品で併用。
黄痰が続いた気管支炎もこれらによって発熱せずに、引き続きハードな勤務をこなしながらもようやく治まるかに見えたが、乾燥咳となってもう一つ治らない。
そこで手持ちの麦門冬湯エキスを服用したが半減するもののもう一つ。
そこで、滋陰降下湯エキスを先日送ってあげていたが、忙しくて先ほど電話で話しながら、今回はじめての滋陰降下湯を服用したところ、話している間に見る見る咽喉から気管支にかけての乾燥刺激感が急速に軽快している。
また、明後日に漢方薬を取りに来るということなので、養陰清肺湯エキスとどちらがよりベターか比較してみる予定である。
なお、明らかに本来なら抗生物質も併用したほうがより効果的な黄痰なのだが、いくら勤務医でも、それを手に入れるのに一々面倒だから、分かっちゃいるけど手に入れなかったと言う。
医者の不養生というか、意外に自分のことになるとメンドクサガル医師が、小生の身内には多いのであった。
とにかく、このケースは明らかに抗生物質を併用すべきだった。
当の患者でもある医師自身も認めているのであるから間違いない。
これに明らかな発熱があれば、地竜エキスも加えるべきところであるが、幸いに発熱は一度も無かったということだった。
ともあれ、これとは別に
漢方と漢方薬の質疑応答集と村田漢方堂薬局の近況報告
の、問い合わせフォームでご連絡頂いた西洋医学専門の一内科医の風邪治療に対する嘆き?のご連絡が以前あったことを思い出したので、これも参照されたい。
男性医師からの西洋医学治療における風邪治療のパターン化における味気なさの嘆きのお便り
一部許可を得て再録。
確かに、西洋医学風の治療法は面白くないです。
「鼻水、鼻づまり」 → とりあえずPL「鼻や痰が色つき」→ とりあえず抗生剤 (第三セフェムが多い、小さい病院なら1種類しか無く自動的に薬名は決まってしまう)「鼻、痰が粘っこい」→ とりあえずムコダイン「咳が出る」 → とりあえずメジコン「のどが痛い」 → とりあえずロキソニン、トローチも?あとイソジン。
「熱が出る」 → これもロキソニン「まだ鼻が黄色いです」→「抗生剤変えましょう。
(そんな抗生剤ばかり飲んでもなあ、職業上出さずにはいられないか)」「どうしたら早く直りますか?」 →「まあ2,3日はかかりますよ。
よく水分とって寝といて下さい。」と、パターン化されていてアレルギーや他の薬を飲んでない人なら、コンピューターにやってもらったほうが正確です。
漢方ならこまかい症状によって薬が違うのに、西洋医学はパターン化されている。
治るかどうかは確率の問題。
西洋医学の抗がん剤でさえ、みんな同じ処方ではダメなことに気づいてオーダーメイド(正確にはテーラーメイドらしい)医療をめざしているのに。
まさか漢方でランダマイズド・コントロールド・トライアルをしているとは知りませんでした。
中医学に従い細かい症状(?)ごとに効果を検討して、やっぱり中医学は正しかった、と確認するつもりならともかく。
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