明らかな黄膩苔がかかっている。
発熱は最初からないが、胸の炎症部分にCT検査などで影があり、昔の結核の痕跡かもしれないが組織検査の必要もあると言われている。
一応、病院での治療薬はすべて終わり、残存している症状を何とかして欲しいとのことで、銀翹散製剤・辛夷清肺湯・小陥胸湯系の方剤・板×根エキスの併用一週間で、咳嗽および胸部の特定の痛みは消失し、咽喉腫痛も痕跡を残す程度。
まだ、継続中だが、最終的な病院検査も必ず受ける必要がある。
このように少し高齢の方が気管支炎にまでこじらせると、治るまでに期間がかかる。
日頃から、板×根が健康食品扱いであることを嫌っておられたので、今回途中から初めて使用した訳だが、初期症状の時に使っておれば、と複雑な思いである。
また、本来、抗生物質を必要としたくらいだから、白花×舌×エキスも併用して欲しかったが、これも日本では健康食品扱いだから、ここまでは説得出来なかった。
日本において医薬品扱いの漢方薬でなければ、いわゆる健康食品扱いされるものには、過度に抵抗感を持たれる方もおられるのである。
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