インフルエンザに麻黄湯と決め込む日本漢方の危うさについて


参考ブログ:風邪やインフルエンザの漢方薬:漢方薬専門・村田漢方堂薬局(山口県下関市)の近況報告

2006年06月11日

秋燥病の特徴と鑑別

 ちょっと専門的になるとやっぱりクリック数が激減しましたね失恋
 それじゃ〜〜、どこまでクリック数が落ちるか、今回も専門的な「秋燥病」つまり燥邪傷肺の病機(病理気序)を中心に、やってみよう〜〜〜exclamation

  燥邪傷肺は、主に秋季に発病することから「秋燥」と呼ばれ、西洋医学的には一般の感冒やインフルエンザ・急性気管支炎などが含まれる。
 秋燥は温燥と涼燥の二種類がある。

 燥邪は口鼻から侵入して、まず上焦の肺経を犯すので、秋燥の初期症状は邪気が肺衛を侵犯したときの一般的な外感表証のほか、必ず口・鼻・唇・咽の乾燥および乾性の咳嗽などの肺系の津液乾燥の症状を伴う。燥邪はもともと津液を消耗させる性質があるので、化火するとさらに陰液を灼傷し、甚だしいときは血絡も損傷する。
 つまり、初期に速やかな清解を行わなければ肺燥化火を引き起こして肺陰を消耗し肺絡を灼傷して出血を生じるのである。後期には燥熱が消退しても肺陰損耗が直ぐには回復できずに肺燥による乾性の咳嗽が残り、肺と大腸の表裏の関係から、肺燥によって大便が乾燥して秘結を伴いやすい。

 このように、秋燥病は上焦肺経の病変が主であり、治療が適切であれば内伝することなく治癒に向かう。

 秋燥病の基本的な特徴は、発熱悪寒・頭痛・少汗・鼻や咽の乾燥・乾性の咳嗽・無痰かあるいは少痰・舌苔は薄白で乾燥傾向・脉は浮などである。
 「温燥」に限定していえば、発熱が重くて悪寒は軽い・口内が乾燥・口渇・咽部の乾燥あるいは疼痛・乾性の咳嗽・無痰・舌の辺縁と尖が紅・脉は浮数などの特徴がある。

 「涼燥」の場合では、悪寒が顕著で発熱は軽い・口内や鼻が乾燥するが口渇はない・咳嗽・少痰・舌質は正常・脉は数ではないなどの特徴がある。
 本証は年齢・性別に関係なく秋季に多発し、一般に症状は軽く、逆伝したり遷延することも比較的少ない。(涼燥というのは実際にはほとんど風寒感冒にとても近い親戚である。)
 なお、涼燥に罹患した場合でも、体質が熱証傾向にあるものでは、熱化して温燥に変化しやすい。
 秋燥病は、風温や風寒感冒との鑑別が必要である。

 (一)風温
 風温は、風熱が肺衛を侵襲して発病し、出現する症候は秋燥病の温燥と類似しているが、温燥では発病の初期には肺衛の症候のほか、必ず口・鼻・唇・咽の乾燥と乾性の咳嗽・無痰など肺燥による症状を伴い、疾病の経過中には肺燥傷陰によって肺絡が損傷されやすいが、心営に逆伝することは少ない。温燥は一般的には風温よりも病状が軽く、発病時期も秋に限られる。風温の初期は熱証が比較的重いが、一般的には清竅の乾燥や乾性の咳嗽など肺燥の症状はそれほど認められない。風温の疾病過程では痰熱阻肺や逆伝心営を生じやすく、発病時期も四季を通じて発病するが、冬と春に多発する傾向がある。

 (二)風寒感冒
 風寒感冒は四季を通じて発病する。初期には風寒が束表して肺衛が宣発できなくなり、臨床症状は涼燥に類似しているが、涼燥の初期では必ず唇の乾燥・鼻の乾燥・咽の乾燥などの清竅の乾燥症状を伴い、発病時期も秋に限られる。

 以上は『実用中医内科学』(上海科学技術出版社発行)の秋燥の項にもとづいて検討・補足したものであるが、昨今の日本の生活環境では、冬季においてもエアコンや電気ストーブ・石油ストーブなどの使用により、あるいは昨今流行の温め療法とやらによって年間を通じて燥邪傷肺の症候が観察される。
 それゆえ、秋季のみならず限定的な四季を問わずに一年間を通じて、一般の外感疾患の治療に「宣肺潤燥法」を組み入れる配慮が必要なこともある。


 このことが言いたかったために、「秋燥病」をダシに延々とここまで考察してきたのだった。ひらめき


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posted by ヒゲジジイ at 16:35| 山口 | 風邪・インフルエンザに対する漢方薬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする