現代社会における典型的な風邪やインフルエンザは、中医学的には多くの場合、
狭義の傷寒と温病の合併症であると認識するに至っている。
そこで試論として、
一時的に衛気不固(衛気の虚)に陥った者が、その虚に乗じて皮毛より寒邪を感受し、同時に口鼻からは温熱の病毒(ウイルス)を吸入したために悪寒発熱・頭痛・咳嗽・咽喉腫痛などを生じる。これ即ち傷寒と温病の合併証である。
としている訳だが、だから悪寒がする初期には一時的に銀翹散に参蘇飲などを併用することはあっても、多くは銀翹散主体の適応証であると主張するものである。
また、このことを物好きにも
漢方と漢方薬の真実:5月13日のみならず、
漢方専門薬剤師による漢方薬方剤漫遊記 :現代の風邪やインフルエンザには、銀翹散製剤が主役となる理由をもう一つ突っ込んで考えると!?
でも書いてみたり、ますますエスカレートしてしまいそうである。
最初の出発点は本ブログの
13〜14年前のインフルエンザに対する拙論
がきっかけで、その13〜14年前に『和漢薬』誌に発表しておいたものを読み直す機会があって、自身で書いたものなのにあらためてメカラウロコ、どこまでエスカレートするかしれませんね(笑)。
といっても、そろそろ湿潤の季節が到来し、それゆえに


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