インフルエンザに麻黄湯と決め込む日本漢方の危うさについて


参考ブログ:風邪やインフルエンザの漢方薬:漢方薬専門・村田漢方堂薬局(山口県下関市)の近況報告

2006年05月12日

傷寒と温病を同時に併発するインフルエンザ

 昨日の投稿は、たまたまぶっ壊れたワープロのフロッピーをパソコンに取り込んでいて偶然目に留まった十数年前の拙論だった。
 それを眺めて自分で述べておきながら、昨今の頭蓋骨内部の老化のせいか、この程度の内容を読んでも他人様の御高説を拝聴したかのように、本当に目からウロコが落ちてしまったのだから、我ながらナサケナイ。

 一時的に衛気不固(衛気の虚)に陥った者が、その虚に乗じて皮毛より寒邪を感受し、同時に口鼻からは温熱の病毒(ウイルス)であるインフルエンザウイルスを吸入したために悪寒発熱・頭痛・咳嗽・咽喉腫痛などを生じる。これ即ち傷寒と温病の合併証である。

 という考察こそ、冬のインフルエンザの正体をかなり正確に表現しているのではないかと、いまさらながら自画自賛するものである。

 だから、葛根湯や参蘇飲程度の方剤で簡単に治癒してしまうレベルのかぜというのは、気虚体質の者や一時的に気虚に陥った者が、皮毛より寒邪を感受して感冒にかかったのみで、同時に口鼻から吸い込む病毒(ウイルス)は比較的弱いものであろう。

 インフルエンザとなると、皮毛より受けた寒邪と同時に口鼻から強烈な温病の病毒を吸い込んでいる。
 このため悪寒発熱・頭痛・咳嗽・咽喉腫痛を生じるが、とりわけ咽喉腫痛を伴う風邪のほとんどが温病の病毒を吸入してしまっていると断定してもよいくらいだろう。当然、この風邪の中にはインフルエンザも含まれる。

 このような理由から、最初は参蘇飲証や葛根湯証あるいは麻黄湯証に見えても、咽喉腫痛を伴っている場合は早晩、温病としての兆候がどんどん前面に出て来る。
 それゆえ、初期に効いたと思った葛根湯なども直ぐに無効となる。
 無効となった時点では温病には相反する辛温解表の傷寒論方剤は即刻中止すべきである。
 ただし、平素気虚の人がかかった場合は、参蘇飲に銀翹散製剤の併用をしばらく継続することもあり得る。

 結局は、現代の風邪関連疾患の多くは銀翹散系列の方剤が主体となるべきであり、また葛根湯や麻黄湯などの傷寒論の方剤に固執したところで、これらは「寒邪を皮毛より感受」したほんの一時期に有効なときがあるのみで、その後はほとんど無効に近いことは、上述の理由からであろう。

 以上を非科学的といって笑わば笑えパンチ
 このような中医学的なイメージトレーニングが出来ないものには、永久に漢方と漢方薬は無縁のものであろうダッシュ(走り出すさま)


 ともあれ、当方では超常連さんにのみ伝授している風邪やインフルエンザに対する漢方薬のヒントを書いた秘伝書(笑)を渡しているが、その一部を以下に公開する。

   風邪(インフルエンザも含む)の一般的な治療方法

〔基本方剤〕「@銀翹散製剤」と「A板○根)」

 風邪・インフルエンザ・扁桃腺炎などの急性熱性疾患で、咽喉(のど)の痛み・咳嗽(せき)・頭痛などがあり、
*寒気が強いときや胃弱の人は「B参蘇飲(ジンソイン)」を併用します。
*水瀉性下痢や吐き下しの合併では必ず「Cかっ香正気散(カッコウショウキサン)」を併用。

★こじれそうな場合の対処方法

●高熱(38度以上の熱が続く場合) @Aに「D地竜(ミミズ)」を併用。
●鼻詰まりがひどい場合       @Aに「E辛夷清肺湯」を併用。
●咽喉(のど)の乾燥が顕著な場合   @Aに「F西◎◎参)」を併用。
●胸痛や胸部に違和感や熱感がある  @Aに「G結胸散(小陥胸湯加減方)を併用。
●咳で胸が痛く胸部に熱感がある   @AにEGを併用。重症では必ず「I白×蛇×草」も追加する。もしも乾燥刺激感が強ければFも併用。
●腎盂腎炎を併発した場合      @Aに「H猪苓湯」とI。

 以上をヒントに適宜組合せを工夫すれば、比較的短期間で治癒することが出来ます。
 但し、体質と症状によって配合が微妙に異なりますので、詳しくは直接お問合せ下さい。(病状によっては、上記の漢方薬以外のものも使用することがありますので。)
 風邪や流行性感冒(インフルエンザ)のようなウイルス感染症の基本は・・・・・・で、最初から最後まで、また日頃からの予防にも必需品です。
 もしも、細菌感染を合併して治りが遅い場合は・・・・・・・も併用すれば効率が上がります。
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posted by ヒゲジジイ at 01:35| 山口 ☁| 風邪・インフルエンザに対する漢方薬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする