インフルエンザに麻黄湯と決め込む日本漢方の危うさについて


参考ブログ:風邪やインフルエンザの漢方薬:漢方薬専門・村田漢方堂薬局(山口県下関市)の近況報告

2006年05月02日

咽喉腫痛がひどくなって使用したらあまり効かなかったというタマに見える女性の場合

 一年に何度か訪れる程度の女性だが、銀翹散製剤の錠剤を風邪の引き始めの咽喉がややおかしい程度の時に、すなわち引き始めに使用したときはよく効いていたのに、咽喉腫痛が激しくなって服用を開始した時には、あまり効果がなかったと嘆いていた。

 おっしゃる通りで、その場合にはやや高度なテクニックが必要であるが、少なくともそのような場合は錠剤ではなく「涼解楽」という顆粒状の製品を使用しないと効果が弱い。(来日する中国の中医師たちは、急性時の日本の使用量の少なさに驚かれるが、使用上の用法・用量に規制される部分があるから止むを得ない。)

 ともあれ、ここが常連さんか、タマにみえる及び腰さん?では、当方のきめ細かい伝授の差というものが歴然とあらわれてしまうのは止むを得ないだろう。

 だから、先手先手を打つのでなければ、咽喉腫痛が重症化した段階で使用する場合の日本の銀翹散製剤の錠剤の分量では、効果が劣るのは止むを得ない事情がある。
 それゆえ、症状が重い場合はエキス顆粒の「涼解楽」を使用した方が効果的なのである。もちろん中医学的には板藍根や白花蛇舌草などを加えるのは常識である。

 明日からは連休続きだからか、本日は常連さんも銀翹散製剤の補充に見える人が多かったが、その常連さんたちこそ、卒なく使用されているので、先ほどの女性のような遅れて使用することはほとんどあり得ない。

 遅れたら遅れたで、高度なテクニックを伝授してあるし、困った時には即電話でアドバイスが可能であるから、このような風邪一つにしても、常連さんとタマの患者さんでは、効果的な使用方法に大きな差がついてしまうということなのだった。

 蛇足ながら上記の女性の話された次のような話は、漢方後進国特有のナサケナイ問題である。
 一般薬局の薬剤師さんのアドバイスによれば、漢方薬は風邪がひどくなってから使用すると熱がこもってしまうから初期の風邪以外には使用すべきではないと言われたが、どうしてでしょうか?との面白い質問があった。

 これにははっきりと理由があって、日本漢方つまり漢方医学においては中国清代の『温病条弁』をまったく取り入れておらず、傷寒論医学ばかりで風邪や流感に対処するから、辛温解表の方剤など温める風邪薬中心の医学であるために、そのように誤解されてもしかたがないだろう。

 その点、中医学を知るものであれば、辛涼解表など熱を穏やかに冷ます方剤なども揃っており、さまざまな状況に対処できる理論と方剤が揃っていることが分っているので、どのような状況にも対処できるのである。

 実に嘆かわしい漢方後進国なのですよ、この愛すべき日本国は・・・・・モバQ
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posted by ヒゲジジイ at 22:33| 山口 ☀| 風邪・インフルエンザに対する漢方薬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする