インフルエンザに麻黄湯と決め込む日本漢方の危うさについて


参考ブログ:風邪やインフルエンザの漢方薬:漢方薬専門・村田漢方堂薬局(山口県下関市)の近況報告

2006年04月29日

盛んに宣伝されるほど葛根湯がそんなに風邪やインフルエンザに有効なら、その確たる証拠を示すように各漢方メーカーに依頼しているが、その返事は何と!?

 風邪に葛根湯というのは、今や常識中の常識で、もっと正確に言えば、非常識な常識であることは、このブログでも再三述べた。

 漢方メーカー各社が多かれ少なかれ宣伝してきた責任は大きいように思う。
 だから、取引先の各社に葛根湯が風邪にそんなき効くというなら、その確たる証拠を示せと再三強く迫っているが、どの社の外交さんも、苦笑いするのみでまともな反論が出来た会社は皆無なのである。

 何でも売れさえすれば良いのが営利を追究する資本主義社会の宿命ではあるが、葛根湯神話ほどの噴飯ものは、アガリクス神話レベルに到達しているとさえ思うほどである。

 かく言う小生は、日常の薬局業務において、葛根湯系列の製剤は大いに繁用している。このことも再三述べたことである。
 しかしながら、風邪関係においては、たとえ鼻炎関連でさえ使用する機会は極めて少ないということである。

聞くところによると、某検索エンジンさんでは臆面も無く

 健康食品>漢方薬
( ビジネスと経済 > ショッピングとサービス > 健康 > 健康食品 > 漢方薬)

このような分類を行っているという話であるが、

まったく、一犬虚を吠ゆれば万犬実を伝う (いっけんきょをほゆれば ばんけんじつをつたう)

のたとえ通り、誰かが好い加減なことを言い出すと、皆がそのように信じ込んで、間違ったことでもいかにも真実のように広まってしまう類(たぐい)で、葛根湯神話もこれに負けず劣らず、「一犬虚を吠ゆれば万犬実を伝う」に近いんじゃないかと極論したくなるほどである。
(参考文献:某大手検索エンジンに、健康食品 > 漢方薬 という間違った分類の是正のお願いをするも、謝絶されたこと

 ただし、あまり極論し過ぎてもいけないから、正確なところを追記しておくと、風邪の初期で寒気がして、項背部を揉むと気持ちがいいときには葛根湯の適応証であるから、すかさず使用すれば少なくとも一時的には有効である。
 軽い風邪なら即座に葛根湯で治る。
 しかしながら、強いウイルスやインフルエンザウイルスだった場合は、同時並行的に、あるいはやや遅れて咽喉腫痛が出現する場合は、もはや葛根湯では対処しきれないから、すかさず『温病条弁』に記載される銀翹散系列の方剤が必須となる。

 だから、葛根湯が風邪やインフルエンザに有効な時期があるとすれば、引きはじめの初期に限られ、多くは「病院に行くほどでもないから・・・」という気分が支配している初期である。
 これはヤバイ、病院に行かなくっちゃ〜〜と決意するような段階になると、すでに多くは温病の段階に移行しつつあるか、完全に移行し手しまってる段階である。

 特別な注釈としては、以前中国で問題となったサーズは、最初から最後まで「傷寒」を呈していたという情報があるから、当時のサーズに限り、傷寒論記載の葛根湯や麻黄湯などが主方剤となった可能性があるので、臨機応変の思考準備だけは忘れてはならない。

 現代日本における多くの風邪やインフルエンザは、傷寒と思える時期は、ほんの初期に限られ、多くは直ぐに温病に転化しているという事実を指摘し続けているのである。
【関連する記事】
posted by ヒゲジジイ at 13:35| 山口 | 風邪・インフルエンザに対する漢方薬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする