だからその社の営業マンによって、自身が風邪を引いた時の対処方法がまるで違うのである。
A社の営業マンはすかさず銀翹散製剤を使用しているが、B者の営業マンは揃って傷寒論医学の方剤を使用してこじらせることが多い。
だからB社の営業マンに銀翹散製剤を使用すべきことを懇切丁寧に教えてあげると、今年はうまくいったと喜んでいた。
しかしながら、A社の社員とて、ちょっとした工夫が足りないので、咽喉がおかしいときは、一錠だけをトローチがわりに使用する応用方法を伝授して直ぐに実行してもらったところ、見る見る改善していった。
ともあれ、自社で販売している銀翹散製剤であっても、A社などは主力製品の一つとして温病条弁の方剤の価値を大いに認識しているが、B社などは古方派漢方の域から飛躍することが出来ず、いつまでも中医学に対する理解が深まらないという訳である。
それゆえ、
「風邪は予防に限る、それにはビタミンCが一番」
などと、漢方専門メーカーの幹部らしからぬ発言が飛び出したりして、周囲の苦笑を誘うというお粗末も見られるのであった(笑)
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