インフルエンザに麻黄湯と決め込む日本漢方の危うさについて


参考ブログ:風邪やインフルエンザの漢方薬:漢方薬専門・村田漢方堂薬局(山口県下関市)の近況報告

2006年03月17日

よせてはかえす波の音:温病条弁

コラムニストで月刊専門雑誌「室内」の編集長(兼経営者)であった故山本夏彦氏が、手を変え品を変えて同じことを繰り返し書かれていた。

それを山本氏みずからが「よせてはかえす波の音」と表現されていた。

今回はその伝であるが、それを他のブログからの引用でお茶を濁したい。引用文に使用するHTMLタグをここで使って見たいという目的も半分あるので。
漢方と漢方薬および中医学関連情報からの引用だが、このブログはアクセス数が少ないので、御紹介を兼ねて、下記のタイトル部分を全文引用させて頂く。(引用文のタグには「blockquote」というタグを前後に用いると以下のようになる。)


日本漢方には「傷寒論」があっても「温病学」がないのは致命的かもしれない

医療用漢方を含めて、日本漢方には「温病学」がない。

傷寒論・金匱要略は聖典として重要視しても、明(みん)から清代(しんだい)にかけて急速に発達した温病学を知らない。

だから呉氏の『温病条弁』を見向きもしない。

このため、一般の風邪だけでなくインフルエンザに対しても威力を発揮する温病に対する漢方処方が使用されることもない。

使用されるのは一握りの中医学専門の医師、あるいは特定の中医学・薬学を重視する薬局・薬店グループ関連で取り扱われるだけである。

お陰でシーズンともなると、たとえば銀翹散製剤は薬局・薬店で大量に売れることになる。
正しく使用すれば、そうとうな効果を発揮するからである。

初期に葛根湯証だの麻黄湯証であっても、ウイルスが強烈な場合は直ぐに温病に転じるのである。
こうなると葛根湯証や麻黄湯証ではないのである。

中医学では常識である「温病」の概念がないから、上気道に関連した急性疾患は、すべて傷寒と判断され兼ねないのが日本漢方の錯誤の最たるものである。

いまからでも遅くないから、傷寒論研究ばかりに労力を費やさずに、その半分の時間を「温病条弁」に向けるべきである。

このままでは「漢方医学」は日本の伝統医学であるなどと、胸を張っておれなくなる。

巷では、風邪に葛根湯という常識が既に崩れ始めている。

病院で貰った葛根湯が意外に効かないので、薬局にかけこんだら銀翹散製剤が出され、これであっさり治ってしまったという例があとを絶たない。

「傷寒論」は異病同治の模範を示したところに意義があり、「金匱要略」は同病異治の模範を示したところに意義がある。

「温病条弁」は現代人の急性疾患を含めて、多くの難病を解決するヒントがたくさん書かれている。

傷寒論・金匱要略のみならず「温病条弁」を学ばなければ、日本漢方の明日はないかもしれないのである。

さいわいに日本では唯一と思われる本書の解説書が医歯薬出版株式会社から出版されている。
神戸中医学研究会編著『中医臨床のための温病条弁解説』
                 (1998年発行 定価19,950円)である。
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posted by ヒゲジジイ at 10:17| 山口 ☀| 風邪・インフルエンザに対する漢方薬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする