「特権的な思想の『語部(かたりべ)たち』は、一方ではいやがうえにも古典的文献を崇め奉り、他方では現代・同時代の諸思想を上から見下したり、軽侮の念をもって無視したりしてきた。
例えば、学者の卵たちが現代的諸思想の研究に志す場合、彼らは先生たちから叱られたものである。
教育上、古典の研究から始める方が精神の発展のためにはきわめて生産的であるという理由から教師たちが現代ものに魅かれる弟子たちをいさめるのはまことに正当ではあるが、その限度を越えて現代的な思想はいっさいまかりならぬというに到っては病的というほかはない。
この種の病的反応は現在でもいたるところにみられる。現代思想へのアレルギーは、古典崇拝の看板に隠れて自分で思索することを放棄した精神の怠慢を押し隠すことにほかならない。
こうした思想状況はそろそろ終りにしなくてはならない。」(段落改行と赤色部分は引用者)
上記の赤字部分をすべて温病条弁や現代中医学に置き換えれば、現代日本漢方にそのまま言えることだ。
だから、日本漢方ではインフルエンザすら治せないことになるのである

【関連する記事】
- 葛根湯 (高村光太郎作)初出:明治44年「スバル」8月号
- 項背部の凝りがあれば葛根湯証、とは限らない。
- 咽喉が弱い人には銀翹散製剤の錠剤の少量継続がもっとも有効のように思える
- ノロウイルスの感染者がまだ現れない漢方薬局
- ノロウイルス感染に対する漢方薬(漢方治療法)
- 咽喉腫痛を伴う風邪を繰り返す体質改善にニンニク食品を取り続ける重大なる錯誤
- 漢方薬の常連さんにも風邪やインフルエンザなど急性疾患に対する漢方薬の日毎の配合変..
- 同一人物で生じる燥熱症状の鼻炎と「風寒外感・湿滞内停」による多量の希薄透明な多量..
- 風邪を引いて再発した鼻詰まりに葛根湯加辛夷川芎きゅう・味麦腎気丸製..
- 九州のインフルエンザに感染した?かもしれない女性薬剤師の風邪闘病記録
- 肺系統の病機と治法のヒント
- 温病学の名著《温熱経緯》について
- 一昨日届いた某氏からのメールの一部
- 傷寒論と温病学の呼称について
- 匿名の日本古方派を名乗る揚げ足取りの先生はようやくおとなしくなったが・・・
- 下関ではフグのことをフクと呼ぶというのは、真っ赤なウソ!?:葛根湯が風邪によく効..
- 寄せては返す波の音
- 銀翹散製剤の主成分:連翹(れんぎょう)
- 常備薬を持っている常連さんは予防がバッチリ!
- 傷寒論医学ではインフルエンザは治せない。どうして中国清代に発達した温病論を学ぼう..