だから日本古方派というのかもしれないが、日本国内では中国古代の傷寒論・金匱要略という古典崇拝が極まって、後世に飛躍的に発達した漢方医学理論、中医学理論を学ぼうともしない風潮が蔓延している。
この中国清代に発達した温病学を学ぼうとしないのは傷寒・金匱という古典を隠れ蓑にして、深遠な中医学の学習を放棄した精神の怠慢にほかならない。
インフルエンザひとつも治せない傷寒論にばかり沈潜して、学者になりたい先生ばかりが見受けられる。
傷寒論を何百回、何千回繰り返し読もうとも、そうして完全に暗記したところでインフルエンザは治せやしない。
六経弁証だけでは、あらゆる疾患に対応できるわけが無い。
そもそも傷寒論というものは、異病同治の模範を示したところに価値があるのであって、いつまでも傷寒論医学に沈潜していても、インフルエンザひとつすら治せないのである。
これほどインターネットが発達した時代に、まだ傷寒論かよ〜〜〜っとまでは言わないが、中国清代に発達した中医学理論をいつまでも無視し続ける「日本古方派」のありかたがどうしても納得できない!
引いてはこれが、日本国における伝統医学として、各医学部でも学習されようとしていることに、ひどい驚きと、悲しさをおぼえるばかりである。
中国清代の医学・薬学をどうして学ぼうとしないのだろうか?
参考文献:「中国には漢方薬はない、漢方薬は日本独自の医学だ」と詭弁を弄する某企業サイトを見てビックリ!
詭弁「中国には漢方薬は無い。漢方薬は日本独自の医学」
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