たまたま当方の常連さんの家族がその番組を見ていて、いつも銀翹散製剤の恩恵を蒙っているのに、
「インフルエンザには葛根湯のほうが良いんだってよ!」
と60代の母がそう言うのですよ!
と報告に見えた四十代のお嬢さん。
「とんでもない、いつもの天津感冒片や涼解楽(いずれも銀翹散製剤)でないとダメなのよ、とたしなめておきましたけどね、葛根湯では普通の風邪ですらあまり効かないのに、変ですね〜〜」
とあきれ顔である。
当方の風邪やインフルエンザ関連の漢方薬を常備されるご家族の場合は、一般の風邪ですらいかに葛根湯が非力であるかをご存知だから良かったものの、一般世間の方々は、あの番組を見ていたら、どうしてもインフルエンザの漢方薬は葛根湯であると、トンデモナイ誤解をされることだろう。
これこそ一般常識と思われることにも、大いなる非常識が含まれていることもある典型例である。
誤解を生じかねない報道をする公共放送も問題だが、それを嬉々として報告する研究機関も問題なしとしないはずである。
何度も繰り返し書くように、マウスでの実験段階で強い抗癌作用を発揮するキノコ類や生薬類が五万とあるのと異なるところが無いのである。
ところが、いざ実際に人間様に使用してみたところが、それほど大した効果が発揮できないことばかり、というのと同類なのではないでしょうかね。
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