寒い冬に風邪を引かれたときにもメールなどでご相談を受けたが、諸症状から寒気が継続して項背部の凝りを訴え、発熱して以後も首の真裏を温めると気持ちが良く、頭痛が激しい。
発熱して以後も変わらないので、葛根湯製剤を主方剤として銀翹散製剤(天津感冒片)の少量をトローチ代わりに使用してもらってあっさりと治癒されている。
同様なケースのご相談も最近受けたばかりであるが、このようなケースは当方の地元近辺(山口県)では稀なことである。
確かに初期には葛根湯証を呈するかに見えても、直ぐに温病特有の症候があらわれ、銀翹散製剤(天津感冒片や涼解楽)を主方に板藍茶の併用で治るケースがほとんどであるが、東北地方や北陸地方の人達の風邪の実体を知るにつけ、寒さの厳しい地方では葛根湯や麻黄湯が主方になることが意外に多いのかもしれない。
ところが、関東や東海地方、および関西、山陰地方の人達のご相談を受ける限りでは、殆どが早期に温病特有の風邪症状を示しているので、当方の地元近辺の状況と、ほとんど変わるところがないように思われる。
この違いは、やはり地方性の問題が関連しているに違いない。