インフルエンザに麻黄湯と決め込む日本漢方の危うさについて


参考ブログ:風邪やインフルエンザの漢方薬:漢方薬専門・村田漢方堂薬局(山口県下関市)の近況報告

2007年11月30日

銀翹散製剤の製品名は天津感冒片(てんしんかんぼうへん)や涼解楽(りょうかいらく)

 銀翹散製剤もメーカー間で精度が微妙に異なるが、当方ではイスクラの「天津感冒片」と「涼解楽」を使用している。板藍根エキスも同社の「板藍茶」が濃度が高く安上がりである。

 天津感冒片は錠剤だから、分量を加減するにはとても便利であり、涼解楽はエキス顆粒で溶解速度が速いので、重症の時や、なるべく速効を得たい時には重宝である。

 一昨日、小生自身が寒気と透明な鼻水が微量続くので、涼解楽と板藍茶・白花蛇舌草を同時に飲んで翌日には治っていた。
 咽喉腫痛もなく、僅かな寒気と軽度の咳嗽を伴っていた。

 一見、巷でささやかれる「青い風邪」のようであるか、実際には「赤い風邪」なのである。その見分けは強い悪寒はなく、僅かな寒気である。ゾクゾクする寒気ではなかったので、透明な鼻水が続いても温病系の風邪であることを類推することが出来るのである。
posted by ヒゲジジイ at 01:34| 山口 ☀| 風邪・インフルエンザに対する漢方薬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月20日

風邪でも体質によっては葛根湯証が継続し続ける人もある

 現代社会では明治時代などの寒さが厳しい時代と異なって「風邪を引いたら葛根湯」というのはほとんど神話にちかく、悪寒が強いほんの初期だけに適応するだけだ、というのが本ブログの主張であったが、もちろん例外はある。悪寒・項背部の凝りなどの葛根湯証がしばらく続く人もある。

 日頃から肩こり・頭痛などの持病をかかえ、葛根湯証が日頃から持続している人達にあっても、咽喉腫痛を伴う風邪を引いた場合は、銀翹散製剤(天津感冒片など)の温病系の方剤が主体となることが多い。このことには変わりないが、一部の人では、悪寒に伴った項背部の凝りと冷え、頭痛や肩こりなどの葛根湯証が継続したまま咽喉腫痛が継続する場合もある。あるいは咽喉腫痛が消えても黄色い鼻汁を伴っているなども同様である。

 このような場合は、日本漢方では葛根湯加桔梗石膏を処方するのが通り相場だが、現実的には葛根湯を主体に銀翹散製剤を適量加えることで十分に対処出来るのである。もちろん板藍根があれば併用した方がよいのは言うまでもない。

 上記に類似した病状の人が最近、東北地方のお馴染みさんで現実に遭遇したばかりなので、敢えてここに記すのである。
 要するに、風邪やインフルエンザの傾向と対策はあるていど規定することは出来るが、実際には個人個人の体質はかなり異なるので、あくまで個別的に綿密な弁証論治に基づいて、臨機応変の対応をしなければならないのが漢方医薬学の現実でありかつ、原則である。
posted by ヒゲジジイ at 12:57| 山口 ☀| 風邪・インフルエンザに対する漢方薬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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